鍼灸治療方針

高知いちまる鍼灸院では、治療の際に、鍼灸、刺絡、漢方などを用います。
個々の患者さんの要望や、体質、病気の症状に応じて使い分けています。

初診の方は、まず鍼灸がよいか、漢方がよいか、あるいは両方を併用した方がよいかなど相談の上、今後の方針を決定しています。
 

鍼は痛くない!

使用する鍼は、非常に細い日本製の鍼で、直径0.14mmほどです。髪の毛よりも細い太さですので、鍼を刺して痛みを感じることはほとんどありません。
※ 鍼は治療の際、各患者さんごとに高圧滅菌器により消毒・管理、または使い捨ての鍼を使用しています。
 

刺さない鍼~小児鍼

小児鍼や接触鍼といって、からだに刺さない方法があります。
特に小さいお子さんや、鍼に恐怖心がある患者さん、また体力の弱い患者さんには、刺さずに体の表面に鍼を接触させるだけで体の調子を整えるという方法をとります。
 

刺絡治

刺絡(しらく)療法とは、滞った悪い血を取り除く治療法です。日本では、江戸時代後期から本格的に導入されました。
刺絡には、井穴(せいけつ)刺絡、細絡(さいらく)刺絡、皮膚刺絡の3種類の方法があります。

例えば、産後の場合、ひざ裏、肩背、腰、眼下などの皮膚上に「細絡」という赤紫色の糸ミミズ状の血管が現れます。その個所を三稜鍼という特殊な鍼で刺して、気血の流れを良くし、滞りの状態を改善することができます。

何をやっても治らないような頑固な肩こり、腰痛や、慢性病に奏功します。
また、がん患者さんの場合、がん性疼痛をはじめ、化学療法や放射線治療の副作用に見られる吐き気などの不快な症状が、随分楽になったと喜ばれています。
気血の巡りが良くなり、免疫力が上がるため、がんに対する抵抗力の増加が期待されます。漢方薬などを併用すればより効果的です。

当院では、日本刺絡学会推奨の古典治療に基づく方法を実践しています。ご安心下さい。
 

お灸

お灸は、米粒の半分程の小さな灸を用いるので痕がほとんど残りません。団子のような大きなお灸ではありません。
また、長生灸や温灸を用いた簡易な治療法があります。これらのお灸のすえ方は、症状に応じて患者さんに指導しています。これらは取り扱い方法もやさしく、自宅で使用することができます。

日本で伝統的に行われてきた鍼やお灸は、ご存知のように痛みや凝りなどの持病に大変よく効きます。お灸による治療法を覚えると、自己管理が可能となり、一生の宝となります。